湯本 香樹実 (著), 酒井 駒子 (イラスト)
河出書房新社
27 x 21.2 x 0.7 cm
『くまとやまねこ』から14年──
夢のコンビが贈る、いのちの物語
「耳をぎゅうっとふさいでごらん」
学校帰り、ぼくはひとりで川の水を見ていた。
そこに雪柄のセーターのおじさんがあらわれて、
ふしぎなことをおしえてくれた……
『くまとやまねこ』が出版されてから、
たくさんの方とお会いしたりお手紙をいただきました。
そのなかで、なぜくまはふたたび外にでかけたのだろう、
それを伝えたいと思ったのが『橋の上で』のはじまりです。
自分が世界の一部であることを知るとき、
それは自分の中にある世界に気づくときでもあるはずです。
心の中のその世界とのあいだに橋を架け、つながりを実感することは、
困難や思いがけない出来事を乗り越えていく力になると信じています。
──湯本香樹実
初めてこの本のテキストを読んだ時、自分の小学生の頃を思い出しました。
主人公の男の子と同じように「今、ここから……」と、
思い詰めて立ちつくした日がありました。
その時の気持ちを目印にして、少しずつ絵を描いていきました。
あの時の自分に向けて手紙を書くように描きました。
──酒井駒子