ジュリエット・ガーディナー (著), 宮崎かすみ (翻訳)
マール社
8.8 x 24.7 x 1.2 cm
160ページ
「私は誰かのことを崇拝したことなどありません。自分以外は」
『サロメ』『幸福な王子』『ドリアン・グレイの肖像』など、数々の著作と名句で知られるオスカー・ワイルド。
本書は、ビアズリー、ロートレック、風刺画家マックス・ビアボームが描いたワイルドのスケッチなど豊富な図版と共に、作家本人と彼をとりまく人々の言葉を通して、唯美主義者オスカー・ワイルドの生涯をたどるビジュアル伝記である。
イラストレーターのチャールズ・リケッツとの舞台の仕事、作家アンドレ・ジッドとの友情や画家ホイッスラーとの確執……
分野を越境するワイルドの交流は、彼が生きた世紀末芸術の世界をも立体的に浮かび上がらせる。
恋人ボウジーの父・クイーンズベリー侯爵を筆頭とする“保守的なイギリス社会”との戦いや、猥褻罪による逮捕と同性愛裁判後の日々の克明な記録も必読。
世紀末に常識と偽善を鋭く突いたワイルドが語り、書いた彼自身の物語は今もなお、鳴り響いている。