オレクサンドル・シャトヒン (著)
講談社
21 x 1.3 x 29.2 cm
ボローニャ国際ブックフェアで話題を集め、アメリカ版も各書評で激賞されている、ウクライナの絵本です。
作者のオレクサンドル・シャトヒンは、ウクライナ在住のイラストレーター。彼の家はロシアとの国境近くにあり、現在も家族とともに避難生活を送っています。本書は、女の子の目を通した「戦争」を、言葉を使わずに描いています。
ウクライナの国旗の色である青と黄色、さらには絶望と恐怖を表す黒、そして「命」の象徴である蝶によって、絶望の果てにも希望を見いだそうとする人間の姿を、どんな言葉にもまして胸を圧する力で表現しています。
文字がないことによって、読者は絵からこの絵本の物語を自分で紡いでいきます。
ウクライナで起きている悲劇の報に慣れてしまってきている私たちに、「戦争」を情報ではなく、自分の身にも起こりうるものとして感じさせる力をもっています。