片岡千歳
出版社: 夏葉社
四六判変形/函入/仮フランス装
320ページ
南国の小さな古書店の日々を綴った随筆集を約 20 年ぶりに復刊
詩を愛する夫婦が 1963、高知に小さな古書店を開きました。「タンポポ書店」で す。店には詩集も並んでいましたが、それ以上に雑本が並び、入り口には 50 円均 一の棚もありました。生まれてきた3人の子どもを養うため、夫は長距離トラッ クに乗り、妻は店舗だけでなく、催事場やスーパーでも古本を売ります。夫が病 死しした後も、妻の片岡千歳さんは 2004 年まで、ひとりで「タンポポ書店」を続 けました。
本書は 2004 年に片岡千歳さんが自費出版した随筆集の復刊です。古本好きには知 られていた本ですが、発行部数が少なく、長いあいだ入手困難の一冊でした。片 岡さんの文章は生活に根ざした文章であり、あたたかみがあって、読む者の心を 解きほぐします。本書は現在ではなかなか見られない「貼り箱」をつかった、贅沢 な仕様です。一度といわず、何度でも読み返していただけたらうれしいです。