ジャコミニュス・ゲンズボルーのゆたかな時間:命がきえるときおもうこと
レベッカ・ドートゥルメール (著), やまもと みき (翻訳)
化学同人
1 x 30.2 x 26.5 cm
50ページ
人生が終わるとき、あなたは何をおもいますか。
一生懸命生きたウサギのささやかな物語。
〜アーモンドの木の下でおだやかに、ジャコミニュスは永遠の眠りについた〜
ジャコミニュスは、ウサギのゲンズボルー家の末っ子として生まれた。小柄で、幼いころに階段から落ち、松葉づえが一生手放せなくなるという不運に見舞われたジャコミニュスは、夢見がちで、口数の少ない少年に育った。だが成長するにつれ、旅立ちと別れ、友情、苦難の日々、恋、結婚、子どもたちの誕生など、さまざまな出来事を経験することで、等身大の自分を受け入れ、友人たちに心を開けるようになっていく。そうして年齢を重ね、本当に大切なものを知り、ささやかだが満ちたりた生涯に思いをはせながら、アーモンドの木の下で永い眠りについたのだった……
幼年から青年、壮年そして老年へ、心と体は変化する。世界は広がり、ものの考えかたや幸せの意味も変わる。名声を得るわけでもなく、苦労の多い日々だったとしても、その瞬間を全うすれば人生はすばらしいのだと、ウサギのジャコミニュスの一生は教えてくれるだろう。