伊藤整 著
巻末エッセイ 荒川洋治
装丁 櫻井 久
夏葉社
森鴎外、夏目漱石、谷崎潤一郎、芥川龍之介、太宰治……。明治維新から昭和 33 年までの日本文学の歴史と、躍動する文学者たちの姿を、卓抜した批評眼で簡潔にわかりやすく描いた、伊藤整の幻の名著が50年ぶりに復刊。登場する文学者の名前 はなんと800人以上。巻末エッセイは荒川洋治。文学の教科書、必携です。
伊藤整
1905年、北海道生まれ。本名、整(ひとし)。東京商科大学中退。詩人として出発したのち、ジョイスの『ユリシイズ』(1934)、ロレンスの『チャタレイ夫人の恋人』(1935)などの翻訳を経て、新芸術派の担い手として近代日本文学の理論と創作を牽引した。その卓抜した批評眼は『小説の方法』(1948)『小説の認識』(1955)などの評論の傑作を生み出し、大著『日本文壇史』(1953-1973)(全18巻)においてさらなる広がりをもった。小説の代表作には『鳴海仙吉』(1950)、『氾濫』(1958)、『変容』(1968)などがある。69年没。