著者 曾根博義
出版社 夏葉社
サイズ 四六版変形
その他 400p / ハードカバー
とめどない、文学の話、本の話、雑誌の話、昭和の話。
曾根博義先生(1940-2016)は知る人ぞ知る古書マニアです。内澤旬子さんの『セ
ンセイの書斎』(幻戯書房)の大トリを飾る塀式の書庫は圧巻で、特に昭和初期の
モダニズム関連の書籍・雑誌を集めてらっしゃいました。本書はその曽根先生の遺
稿集です。先生は近代文学、なかでも伊藤整を専門とする学者ですが、今回の『私
の文学渉猟』では、研究色の強い原稿の収録は避けて、文学、古本探訪、雑誌収集
といった、読み物としておもしろい原稿のみを集めました。「索引がこんなに面白
くていいのかしら」、「芥川龍之介と宇野千代」、「文芸評論と大衆―昭和三〇年代の
評論の役割―」、「『新日本文学全集』と戦争下の出版状況」、「第一書房版『ユリシ
イズ』の怪」など、大盛りの 48 編収録の読み物アンソロジー。装画は「toji」な
どで活躍する樋口達也さん。たくさん売れる本ではないと思いますが、文学好き、
古書好きのみなさんがきっと喜んでくださる、やや厚めの1冊です。