藤野 恵美 (著), 小沢 さかえ (著, イラスト)
講談社
ハードカバー 15.5 x 1.3 x 21.8 cm
ともだちがいないけれど ひとりでもへいきなハリネズミは、考えることが大好き。うさぎがバラの花をつけて自慢しても、きみにそんなものは似合わない、といつでも思ったとおりのことを言います。背中のはりだけでなく、言葉もちくちくしているのです。そんなハリネズミがある日、「たべられないし、やくにもたたない」どろだんごをつくっているもぐらと出会います。
小沢さかえ氏による油彩カラーとペン画の挿絵も豊富に掲載。
もくじ
さんぽ/であい/しごと/はちみつ/よあけ
ハリネズミには、ともだちがいませんでした。
森もりをあるくときも、ひとりです。
けれど、まったく、きにしていません。
ひとりしずかにあるいていると、小鳥とりのさえずりが、よ
くきこえます。ひとりしずかにあるいていると、はっぱの
ざわめきが、よくきこえます。だれにもじゃまされず、ひとりしずかにあるくことが、ハリネズミはすきでした。
森もりには、おそろしいどうぶつもいます。
でも、だいじょうぶ。
ハリネズミのせなかには、するどいハリがあります。
じぶんの身は、じぶんでまもれます。だから、ハリネズミはひとりでもへいきなのです。─本文より。