『Fragments of Paradise 楽園の断片』
制作・発行 Reiko Takeshima (タケシマ レイコ)
ホッチキス製本
インクジェット印刷
36ページ
携帯電話で撮った写真に言葉を添えた、心動かされた瞬間の累積。
ごく個人的な体験の羅列を綴ったこの本が、「記憶」というキーワードで手にとった人と手をつなぎ、その人の背中を少しでも押すことを祈って。
手乗りサイズの小さな本です。
100部限定シリアルナンバー付き。
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以下本文解説文より要約引用
ふと携帯に保存さている写真を見返した。そこには忘れていた記憶も含めて、デジカメが手元に無いものの撮りたくて撮った4年4カ月分の断片が累積していた。
心動かされた瞬間の累積。
ささやかな幸せや悲しみだけでなく大きな幸せや悲しみの記憶ですら、更新されていく記憶の累積の陰となり、時間とともにその彩度は薄まっていく。けれど、写真を見返していたら突然記憶に色が戻ったように感じた。
確かに自分はその瞬間その場所にいてそれを見ていた。
それが生きているということとすら思った。
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形のない「記憶」に、「本」という形を与えてみました。
記憶は、人が生きてきた証だと思います。誰かを失ったり亡くしてしまうと、その人の記憶はその時点で止まってしまいます。でも、記憶の中にその人は生きている。それが生きるよすがとも呪縛ともなる。
記録されたり、一部の人々によって評価を得ることで歴史として残っていくけれど、記録されない幾多のものの中にも同じことが存在している。想像力がそれを見えるようにしてくれる。
歴史に残らない記憶=楽園が、いとおしい。