SCHOLE作品のアートディレター 菊地 慎の2冊目のフォトブック。
241mm × 186mm
全64ページ
例えば、季節の豊かな移ろいを思い、繰り返す姿を無意識に記憶する。
時を旅するほどにその記憶は曖昧で朧げに塗り替えられる。
桜が一斉に咲き誇り、風に吹かれ、散り、小さな息吹を運ぶ。
樹々が生い茂り、存在感のある濃い色を育む。
命を灯す光のように燃え盛り、それは消え去る。
何かの骨格のように美しさを残したままそぎ落とされ、枯枝だけになった樹々が命の膨らみを宿し見せる、空間、時間の奥行。
すぐそこにある景色の中に、豊穣な世界が広がっている。
すぐに消えゆく日々に自分を映すように、
いつか見た景色と確かに存在した光を焼き付ける。
菊地 慎