著者 皆川明
発行者 佐藤真
発行所 株式会社つるとはな
装丁 サイトヲヒデユキ
ミナ ペルホネンのウェブサイトで2011年8月から始まり、今もなお週に一度だけ更新され続けている人気ページ──「Letter」。文字通り皆川明からの短い手紙のようであり、詩のようであり、呟きのようでもある。服をつくる気持ちの底にほうにあるこれらの言葉は、わたしたちが暮らすこと、生きてゆくことの惑いを、静かに整えてくれる。
「Letter」は読む者のこころに触れる親密な言葉の集まりだ。どこを開いて読んでもかまわない。くり返し手が伸び、任意のページに惹きつけられる、こころの辞書。くり返し手が伸びるのは、装幀の手触りにも理由がある。
装幀はサイトヲヒデユキが担当。ミナ ペルホネンの印刷物を手がけ、2019年、ニューヨークの老舗リッツォーリが刊行したミナ ペルホネンの本『ripples』のアートディレクションも手がけた。本書『Letter』の装幀は、「クロス装、箔押し、天金、角丸、スピンつき」。刺繍やベルベット、レースなど、忘れられつつあった素材や手法を甦らせるミナ ペルホネンの服のように、本書は古き良き装幀の素材、手法を採用した、特別な仕上がりになっている。
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